五輪までに新市庁舎は必要か?

立派すぎる!?新市庁舎は高さ150m、30階以上!

去る5月29日の横浜市議会第2回定例会において、横浜市役所『新市庁舎』の整備予算が自民党・公明党・民主党等の圧倒的多数の賛成によって可決されました。行政は昨年3月、みなとみらい地区に616億円の予算をかけて新市庁舎を建設する基本構想計画を示しましたが、わずか一年で、積算の見直しや労務費の高騰により『133億円も増加!』された設計・建設費用749億円を盛り込んだ平成27年度一般会計補正予算を上程。今定例会でそれが通ってしまいました。

新市庁舎には職員の事務室や市議会の議場のほか、屋根付き広場のアトリウムや市民への情報提供のスペース、飲食店や銀行の店舗、駐車場などを設置される予定です。

想定する延べ面積は駐車場も加えて14万6800㎡で、議員室だけでも9000㎡あり、最も高い部分が地上30階以上。高さは約150mに及び、同約120mの横浜アイランドタワーよりも高い高層ビルの予定になっています。

皆さんもTVでご覧になったかと思いますが、東京五輪開催のために『新国立競技場』の建設が白紙となりました。この施設も当初の見積もりが甘く、屋根付きプラン1300億円から費用・時間の関係で屋根をオリンピック開催後に取り付けるプランに変更しても、2500億円とほぼ倍の金額が必要になる事態になっていました。この建設が白紙になるのは、当然のことでしょう。

しかし、新国立競技場建設の事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)はザハ・ハディド氏のデザインに基づく旧計画で、着工前段階のデザインや設計などの契約が約59億円に上り、これらの業務の大部分はすでに完了し支払いも終えており、相当部分が戻らない見込みです。

現在、このような問題等も含め、その負担割合について政府と舛添都知事が論戦を繰り広げていますが、都が負担するにしろ、国が負担するにしろいずれも税金でその建設費用は賄われます。

私たち維新の党横浜市議団は一貫して、東京オリンピック、震災の復興需要などで、建設費の増額が予見されるとの見地から昨年の議会、もちろん今の議会においても『新市庁舎の整備はオリンピック開催後にすべきである』と強く訴え五輪までの建設に反対して参りました。

林市長は新市庁舎で世界から訪れるゲストをもてなすためと趣意を唱えていますが、このような事に市税が使われれば、高齢者のための地域包括ケアネットワークの充実や若年層雇用問題など、市民の皆さんに必要な行政サービスは後回しにされてしまいます。

私たちは今後も一部の既得権益のための政治ではなく、市民の皆さんが笑顔になる政策の実現へむけ邁進してまいります。