便利な保育園制度が奪う大切なもの2

今週も保育行政についてお話しさせて頂きます。2015年度から始まる保育の新制度で、認可保育所や小規模保育園などの利用要件が決定しました。パートや自宅で働く場合などでも原則として、利用できるようになり、今後は、夜勤の人も対象に加える予定といいます。
また、待機児童問題の解決として、新制度では、各市町村が地域で保育を必要としている人数を調べ、その需要を満たすまで受け皿を整備しなければならなくな ります。政府は消費税増税分で、2017年度までに、受け皿を40万人分も増やす予定です。しかし、本当にこの箱もの作りが、子育て支援なのでしょうか。 確かに、経済的な理由や家庭の事情で共働きの世帯には保育園は必要ですが、私は、親の利便性ばかりを優先し、女性の社会進出、女性の活躍の場を作ると称 し、国は、待機児童解消と経済問題をすり替えていると感じています。
パートや自宅で働く子供たちまで保育園に預けられようとしています。親と 子の絆はどこにいくのでしょう。正解価値調査という世界73か国の調査によると、『親が子供のために犠牲になるのは仕方がない』と答えた世界の親の平均 は、72・6%です。日本は、38・5%で、73か国中の72番目です。この数値からは、親心の衰退が懸念されています。さて、来週も便利な保育園制度が 奪う大切なもの③を連載させて頂きますので、お楽しみにしてください。